リバウンドとジレンマに自己責任が鍵となる

短期間で何kg〜何十kgなんて痩せれば、リバウンドします。

人間には恒常性があって、偏らないようバランスするよう働く機能が備わっています。

 

常であった自分の状態が、急に変化する、突然偏れば、

身体は「何が起こったの!」と

焦って元の状態に正そうとします。

 

 

お腹の風邪やノロウイルスなどに感染して、下痢と嘔吐を繰り返し

ロクに食べられない生活が1週間ほど続くと、当然体重が減ります。

 

「体重が3kg減って嬉しい!」と喜ぶけど

「あっという間に戻っちゃった」というのは

身体が正常に働いている証拠です。

 

なので、

短期間で極端に痩せれば

 

 

無性に食べたくなる

食べたい気持ちを抑えられなくなる

 

これは当然のことです。

 

 

当然のことなのですが

これが受け入れられないのが摂食障害さんです。

 

 

身体は元の状態に戻したくて必死に栄養を欲するけど、

本人の心は、太りたくないから食べたくない。

 

太ることは恐怖でしかなくて、

太ることは自分を脅かすものでしかないから、

何が何でも抵抗したい。

 

 

けれど

 

ものすごい食欲

口が止まらない

手が止まらない

目が食べ物を探す

気持ちとは裏腹に

 

次から次と、口の中に食べ物を押し込んでしまう時がやってきます。

 

それは、身体にとっては自然なことだから。

 

 

無理はきかない

偏りは正そう

バランスを保とう

栄養を摂ろう

 

身体が正常に働いている証拠のようなものです。

 

 

本来ならば有り難い、正常な身体の働きなのですが、

摂食障害さんは

食べ物が身体にぎゅうぎゅうに詰め込まれた

その現実に耐えられなくなり

 

吐きます。

 

 

吐くなんてバカげてる

世の中には食べられない人がたくさんいるんだ

そもそも食べなければいい我慢すればいい

やってることも考えてることも低レベルすぎる

勝手に苦しんで見せてるだけだろ

悲劇のヒロインぶるな

 

 

傍目にはそう映るかもしれません。

 

でも、吐いている本人もそんなことを考えていたりするから、

吐いた後の絶望感は半端なく、

「なんでまた食べてしまったの?」

そんな自分に対する絶望感や敗北感は、吐く度に襲ってきます。

 

私は食べて吐いた14年近く、

吐いた後の絶望感と敗北感を抱かない時は1度たりともありませんでした。

 

吐いた後に「もう絶対に食べない!」

そう何度も何度も誓っても

食べることを我慢できない自分を責めて責めて責めて

自分で自分の首を締め上げていました。

 

きっと、私だけじゃない。

きっときっと、過食をしてしまう人は、

自分で自分の肉体も精神も痛めつけていると思っています。

 

 

過去の私も、

過去の私と同じようなことで今悩んでいる人も、

自分を取り巻く環境の中に、痩せた身体をバリアとして、自分を守りながら適応させて、なんとか生きていこうと必死です。

 

 

そうはいっても

 

「吐くなんてバカげてる

世の中には食べられない人がたくさんいるんだ」

 

そう言われたら、その通りだと言わざるを得ないことばかりです。

 

大切なことなので反省も含め言わせてもらいます。

 

 

あの頃の自分を振り返っても、

食べて吐いてを繰り返した渦中にあった時も、強く感じていたのは

食べて吐くことは辛くて必死なんだけど、

完全に責任回避だということです。

 

 

リバウンドという自然に欲する抵抗できないような強い食欲から、

食べることを決断したのは自分で、

誰かに食べ物を口に入れられた訳じゃなく、

実際に食べ物を口に入れたのも自分で、

飲み込んだのも自分なのに、

 

それを無かったことにしよう

食べたものを吐いて消化吸収させないようにしよう

 

これは

自分で選び決断した行動に対して責任を持てていない

ズルくて未熟な行動だと思っています。

 

 

本人は辛くて自分を守りたくて、

環境に適応するために痩せた身体を維持しなきゃいけないのだけど、

やっていることは、

自分の行動に自分で責任を取れていない

大人気ない行動です。

 

このことは、

摂食障害にある彼女たちにとって、実はすごく重要なことで、

私にとっても重要なことでした。

 

 

身体と心はつながっています。

自分の行動に責任を持てる大人になること

自分の行動に自信を持てる強い心であること

 

これが、摂食障害から解放される大きな大きなヒントだと思っています。