自分が高齢者となった時~「健康=痩せる食事」ではなくて「健康=活力・生命力の源である食事」~

私は長く摂食障害だったせいか、

未だに太りたくないと思っています。

 

この今の体型だから

着こなせる服があって、似合う服があって、似合う髪型があって、

 

「この体型であることが私」として

もう譲れない、こだわりのようなものになっています。

 

周囲の人からは

「もう少し太った方がいい」と言われ

 

子ども達からも

「痩せすぎのおばさんは老けて見えるよ〜」と言われ

 

そうかな・・・

なんて思ってはいます。

 

 

私は特別養護老人ホームで働いているので、

ご入居されている方と話す機会も多いのですが、

 

高齢になったら、少しふっくらしていた方が若々しいし

悲壮感がなくていいなぁ

とは思います。

 

 

日本は超高齢社会で、3人に1人が65歳以上になるといわれている2025年はもう目の前に迫っています。

 

私が働く特別養護老人ホームは、

原則として要介護3以上の方が入居できる施設です。

 

要介護3というと、

ケースは様々ですが

 

歩行はできても認知が著しく、主に排泄など自立した生活が難しかったり

一見普通だけど、ちょっと大変な方もいる感じです。

特別養護老人ホームに入居されるような方は基本的に

「自立した生活が困難になった方」となります。

 

 

ひと昔前は要介護1でも入居できたそうですが

高齢者人口の増加で、介護保険の縛りもどんどん厳しくなり、今に至っているようです。

 

 

これからしばし続くとみられている右肩上がり高齢化率は

どうにも動かせないので、

 

厚生労働省は「予防」に全力で舵を切っています。

 

その舵取りの1つに、

市町村という小さなコミュニティレベルで、

高齢者の医療・介護・福祉を連携できるような

「地域包括ケアシステム」の構築を図っています(2025年を目途)。

 

 

高齢者の増加に伴い、

要介護5(介護度MAXの状態)になっても在宅で暮らせるように

との考えもあるようです。

 

 

特別養護老人ホームも有料老人ホームもあちこちにバンバン建てられています。

 

近くに同じような施設があるのに、強気の経営で踏み込めるのは

それだけ需要があると見込んでのことでしょう。

 

 

 

裕福な方であれば、

 

24時間看護師在中、

自分の好みのサービスがたくさんあって快適で自由度も高い

そんな有料老人ホームを選ぶことができるでしょうが、

 

大多数の人が選べるような経済状況ではありません。

 

また、団塊の世代以降、

多様な生活スタイル、趣味の広がり、

個人の楽しみの幅がぐんと広がり出した時代です。

 

これからの高齢者は

最期まで自分の家で自由でありたい

そう思う方は多いと思っています。

 

 

そうなると

 

在宅での生活

「要介護5でも在宅で暮らす」

という選択が今後さらに広がっていくのだと思われます。

 

 

様々な福祉サービス、医療を駆使して

要介護5でも、ある程度不自由なく在宅で暮らせることは素晴らしいことですが

 

 

要介護5にならない予防策がそもそも重要だったりします。

 

そのため、

高齢者となったら

「痩せない体重コントロールが重要」だと言われており

 

必然的に

壮年期に言われる生活習慣病にならないための

「太らない体重コントロール」から脱却しなければいけません。

 

健康意識と実際の栄養食事対策の「ギアチェンジ」が必要になります。

 

高齢者にとって、痩せていくこと、低栄養に陥ることは致命的です。

 

筋力低下からの転倒による骨折

→寝たきり

認知症悪化

 

芋づる式に、自立した状態から介護が必要になる状態になるためです。

 

高齢福祉の栄養面では

高齢者が要介護にならないように

健康で自立した状態を出来るだけ長く維持できるようにと

「フレイル予防」「フレイル対策」が盛んに進められています。

 

フレイルとは虚弱という意味で

介護が必要である要介護と健康で自立した状態の境目で

どちらにも傾く可能性のある状態のことを指します。

 

要介護に傾かないように、

体重・筋力低下を防ぐようしっかり食事をとりましょう

といったアプローチがとられ

 

高齢者となると体重指針となるBMI値の適正範囲も緩和されます。

(18.5〜24.9→高齢者から21.5〜24.9)

 

高齢者の方に痩せる必要ありませんよ、と説明しても

たいてい「え?そうなの?」と疑われます。

 

若い世代だけじゃなくて

団塊の世代なども、太ってはいけない意識でいっぱいなので

アチェンジの必要性はもっと広めないといけないのかもしれません。

 

 

歳をとっても、

健康意識が高く、食生活に気を配っている方はとても若々しく元気です。

 

中医学的思想ですが、

高齢になると元気活力の元となる精が減退していくので、

その精を食べ物から補わなければ元気ではいられません。

 

「健康=痩せる食事」

ではなくて

「健康=活力・生命力の源である食事」

まさに健康の焦点はここです。

いつの時代も、どの世代にも実は大切なことです。

 

 

身体が衰え、病気にもかかり

自分の限りある命を考えたときに

ようやく、

当たり前だった健康の尊さを知り得るのが

壮年期からでしょう。

 

 

過食症なんてやってらんねーよ」と

自分の身体も、自分の精神も叫び騒いだところから

ようやく自分の人生がスタートするのなら

きそれはっと遅くはないのです。

 

 

私の「太りたくないな」

という意識も

きっといつかは変化していくのだろうと思っています。