過食症になった当時の自分の話



自分が拒食症の話はざっとしてきたので、

今回は過食症当時の話をしたいと思います。

 

「拒食症になった当時の自分の話」

https://blog.hatena.ne.jp/sayosalada/sayosalada.hatenablog.com/edit?entry=4207112889958041166

 

「拒食症になった当時の自分の話②〜婦人科と将来の赤ちゃん〜」

https://blog.hatena.ne.jp/sayosalada/sayosalada.hatenablog.com/edit?entry=4207112889958604588

 

 

拒食症となり33kgになり、

その後母に婦人科に連れて行かれたことで、一旦拒食症は幕引きとなりましたが、

その後も、食事コントロールをして37〜38kgをキープしていました。

 

 

食事コントロールは主に摂取カロリー調整でした。

 

痩せることに没頭していたので、

ダイエット本や雑誌で食品や料理の栄養素や栄養価を勉強しました。

基本的に1日のカロリー摂取量を厳密に守っていくという感じでした。

 

今、管理栄養士として働いているのも、多分この頃の経験がベースとなっています。

 

 

ずっとうまくいっていました。

 

2年近く体重を維持できていることが何よりの証明でした。

 

このときは、体重を減らす、痩せることが目標ではなくて、

体重をずっと維持することが目標でした。

 

なので、

人との関わりや友達なんて必要ありませんでした。

むしろ邪魔でした。

 

 

クラスに友達でもいようものなら、

休憩時間に一緒にお菓子を食べなきゃいけない、

一緒にマックに行かなきゃいけない、ミスドに行かなきゃいけない。

 

完璧な自分の食事コントロールが邪魔されること

自分で決めた食事ルールを乱されることは

たとえ飴1個でも

耐えられないこと、自分が崩壊することでした。

 

完璧な孤独な毎日でした。

 

 

朝起きて学校に行くのは勉強するためでもなく友達と会うわけでもない、

カロリー消費のため。

 

お昼ごはんは決まったものを食べたいし

食べるところを他人に見られたくないから、

学校の裏にあるフェンスをミニスカ制服でよじ登って、先生に見つかり怒鳴られながら、ほぼ毎日早退していました(ほんとなんです)。

 

 

カロリー消費しながら家に帰り、

お昼ごはんと決めていた低脂肪ヨーグルトを

毎日毎日毎日毎日食べていました。

 

 

アホみたいに孤独な高校生活でした。

 

 

そんなアホみたいに孤独な高校生活でも、

私を守ってくれたのは痩せている身体でした。

 

私はあなた達より痩せてて凄いのよ

 

 

痩せていることは私の全て

 

「私のアイデンティティ」でした。

 

 

友達がいなくても、学校生活が楽しくなくても、頭が悪くても、

私はあなた達より優れている

私は見事に痩せた身体をキープできているんだから。

 

ガラスのようなプライドで周囲と対峙していました。

 

 

けれど、

そんなアイデンティティもプライドも崩壊することとなったキッカケは、家族旅行でした。

 

 

旅館に泊まって美味しいものを食べました。

1日2日、美味しいものを楽しむくらいは、許容範囲でした。

「毎日食事コントロールしてきたし」

という太らない自信もありました。

 

 

それが

 

その日、旅行から帰宅してもソワソワと落ち着かない。

食べたい気持ちが収まらないのです。

 

朝食バイキングでこっそり持ち帰った小さなロールパンを3個食べても、まだ落ち着かない。

それところか、

ソワソワソワソワもっと落ち着かなくなりました。

 

食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい

 

家にある食べものをお腹がいっぱいになるまで食べてしまいました。

 

 

どうしよう

 

自分で許可していない食べ物を食べてしまった

ルール違反をしてしまった

 

太ってしまう!

 

 

緊急事態に私はパニックになりました。

「お腹いっぱいで気持ち悪い・・・」

そう母に訴えていました。

 

 

心配そうに母は私に言いました。

 

「吐くと少しスッキリするかもしれない」

 

 

どこかで読んだことのある、見たことのある

「吐く」というワードを母がタイミング良く発したことで、

踏み込んではいけないような気がしていた領域に

入ることを許された気がして

 

挑戦しました。

 

けど、吐けませんでした。

 

 

指を手に突っ込んでというけど、

どうやっていいのか、わかりませんでした。

 

 

結局、

ぱんぱんのお腹と、やってしまったという罪悪感と、自分に課したルールを守れなかった敗北感とで苦しいままに時は過ぎ、

体内に入れた食べ物全て、完全消化されました。

 

 

拒食症となってから

2年近く徹底して守り抜いた

「自分にとっての完璧な食事が崩壊した」この日を堺に、

ネジが1本外れたように「完璧ではなくなった自分」に苦しむことになりました。

 

 

それは現実的には

肉体的な欲求と精神的なアンバランスを是正しようとする

 

自然な状態、人間らしい状態、

回復へと導かれる状態になっただけのことなのですが、

 

そんなこと、この時点では知る由もありません。

 

 

過食するトリガーは、

自分で決めた自分に課したルールである自分なりの「完璧な食事」を守れなかった時。

 

突然スイッチが入って

それはもう、お腹いっぱいまでめいっぱい食べるようになって

次第にそれなりに吐けるようになってしまいました。