「もし我が子が摂食障害になったら・・・」

私の長女は高校生で、しょっちゅう

「痩せたい」

と言っています。

 

お友達と美味しいものをお腹いっぱい食べたから、

今日の夕食は要らない

明日の夜ご飯もおかずだけでいい

そんな調整をして、

彼女なりに太ることを予防しています。

 

 

痩せたらモテる

痩せたら可愛くなれる

いうて世の中顔とスタイルだから痩せたら就職に有利でしょ

 

 

本当にそう思っているかどうかは分からないけど

これもしょっちゅう言っています。

 

そんな娘の口走るセリフを聞いていると

「もし我が子が摂食障害になったら・・・」と

思うことがあります。

 

 

食事を拒否して

ピリピリと神経質になり

やせ細っていく拒食症になる姿

 

あり得ないほどのお菓子や食事を詰め込んだら

トイレに駆け込んて

吐いて

鬱状態に陥る過食症の姿

 

発見してしまった、知ってしまったら

ラクラするような強い衝撃をくらうだろうし

 

どうしようもなく焦るだろうし

 

心底自分を責めるだろうと思います。

 

 

衝撃的な現実に対して、

少しだけ客観視できるようになったら、

どう接したらいいのか悩むだろうし

 

 

何とか自体を解決しようと思案すると思います。

 

 

拒食症なら

何とか食べてもらわないと

何とか太らせないと

 

過食症なら

何とか食べないようにさせないと

何とか吐かないようにさせないと

 

当たり前ですが、

その衝撃的な症状、

「現実行動」を何とかしようとします。

 

 

でも、

私もそうでしたが、

食べなさい、太りなさいと言われても

 

痩せることに取り憑かれて洗脳されているようなとき

 

「痩せることが正義だ!」

「痩せていれば無敵だ!」

 

という時に、

 

食べなさい、太りなさいと言われたところで

まあ、無意味なわけです。

 

 

なんで吐くの?

吐くなら食べなければいい

 

なんて

ものすごく当たり前のことを言ってしまえば

 

ただでさえ繊細極まりない状態、

自分の殻の中にひとり籠もっている状態、

いくら強がりを言っても、ガラス細工のようなハートを粉々に破壊してしまうだけ。

 

 

摂食障害さんに対する発言には細心の注意が必要です。

 

 

とにかく、

解決を急がない。

 

家族や周囲がやるべきこと

我が子が摂食障害になったら

 

「受容する」

 

とにかくコレのみです。

 

 

人間がやること、行動には必ず意味があると思っています。

 

遠回りしたように思えたことが、

実は必要な経験だった

とはよく聞く話ですが、

 

人生って結局、これの積み重ねなんだと思っています。

 

 

傍から見たら、最短距離街道を走っているかのように見える人でも、

きっと何処かで躓くし、

躓いたことを見せないようにしているだけ。

 

わたし達はきっと元から、最短距離なんて選べない。

 

大小あれど、誰もがきっとスムーズにいかない、スムーズにいかせてもらえない。

 

それが人生の中で、何度も何度も繰り返されていると思っています。

 

遠回りさせられる人生設定だからこそ、

自分の弱さを知って

弱さを認められるから強くなって、

幸福が手に入れられるのだと思っています。

 

 

なので、

我が子の行動も意味あるものだと思って

不可思議な行動をひとまず受け入れましょう。

 

受け入れるフリでもいいです。

いや実際、フリしかできないでしょう。

 

だって、不快ですもの。

お金を出して買ったものを食べたと思ったら吐くのですから。

嘔吐するときのえづきがトイレから聞こえたら、

自分の娘でも相当気分が悪いし、

その後勝手にひとり落ち込んで、

鬱状態で「死にたい」とか発言したかと思ったら、

「私なんて産まないでほしかった!」

なんて吹っかけられても

 

正直すっごく不快だと思います。

 

自分で勝手にやっといて、周りを振り回す言動に、しんどいのはこっちだよ!

と本当に本当に言ってやりたくなるでしょうが

 

そこはグッとこらえましょう。

同じ土俵に立たないという感じです。

 

波立つ感情を抑えて、

いつでも冷静に対処することを意識してほしいのです。

 

 

私は、母にそうしてもらえました。

 

ただ、ひたすら私が結婚して家を出るまで、

何年も何年も私の過食嘔吐する行動を咎めず、

 

かといって

黙認するわけでもない。

 

夜中にトイレの水を流す音や、嘔吐するとき発するえづきは、

しっかり確認されていたし

 

トイレから出た後に母に会うと、

悲しそうな、呆れているような目を向けられて、すごく傷かったけど、

 

「放っておいてくれたようで、放っていない」

ただひたすら、娘の改善を待つ

 

そんな冷静かつ忍耐ともいえる

愛情をもらえていました。

 

 

「待つ」

ということは

相手を信じないとできないことです。

 

 

私は母と暮らす間も過食嘔吐はやめられなかったけど、

1番して欲しくなかったこと

私の普通ではない行動を責めなかったことに感謝しているし、

 

「放っておいてくれたようで、放っていない」

 

ただひたすら、

娘の改善を見守ってくれた母の在り方は

 

摂食障害さんがいるご家族のモデル的な在り方になるだろうと思っていますし、

 

もし私の娘が摂食障害になったとしたら、

母のように接していかなければと、そう思っています。

 

 

また、

摂食障害でも拒食症の場合は、対処が異なり、

食べないという行動を責めずに

「あなたは病気なのよ」と、

現実をしっかり伝えて下さい。

 

そして、心療内科なり専門家の元へ必ず連れて行ってあげてください。

拒食症は命に関わるので、専門家の介入が必要です。

 

拒食症の患者さんは、

その痩せ細った手足、

か細い線が表すように

 

わざわざ自分の命を削って

誰かに守って欲しいと訴えています。

 

いくら強がりを言っても

心の何処かで「私をみて」「私を守って」

と命を削りながら願っているので、

治るか治らないかは別にして、

きっと専門家の元には同行してくれると思います。

 

 

なお、

過食症の患者さんも、命の危険がないわけではありません。

必要性を感じたら、

専門家の元に足を運んでも損はないと思います。