私には子どもが2人いますが、2人とも女の子で高校生と中学生、特に高校生の長女は思春期真っ只中です。
「可愛くいたいから痩せてたい」
「友達に痩せてると言われるから太れないの」
そんな発言を聞くといつかトイレで吐いてしまうんじゃないかと心配になったりしますが、そんな様子は今のところなく、
可愛くいたいし、お友達とのごはんも楽しみたいから、ダイエットも頑張っているようです。
「摂食障害は遺伝するのかしないのか?」
今回はそんなことを考えたいと思います。
高血圧症や高コレステロール血症は「遺伝する」と言われ、家族性高血圧、家族性高コレステロール血症と呼ばれたりします。
しかし、両親ともに高血圧症、両親ともに高コレステロール血症で、
遺伝子レベルで高血圧症や高コレステロール血症になりやすい原因があるにしても、
親が塩分の多い料理を作る、親が塩分の多い料理を好む、
という家庭環境で育つと、
子も塩分の多い料理を作る、子も塩分の多い料理を好む、
という食卓の影響がある
言わば、「食卓の遺伝」がより大きな原因だと言われています。
なので、遺伝要因はあるにしても、食生活を改善していくことで、予防や病状の悪化を防ぐことができますよと言われています。
では、摂食障害はどうなのか?
摂食障害だった私は幼い頃、父は単身赴任、母は仕事でほぼ家にいない家庭に育ったので、祖母の食事を食べて育ちました。
祖母は摂食障害ではないし、
私の両親もモチロン摂食障害ではありませんでした。ダイエット信者でもなければ、健康オタクでもない、特に食事にこだわりもない家庭でした。
遺伝の始まりは必ずどこかに出発点があるはずです。
先ほどの高血圧症にしても高コレステロール血症にしても、
結婚して新たな血縁により新たな遺伝子が加えられることで発生することもありますし、
それは、
結婚して新たな食習慣や食の嗜好が加えられるということでもあります。
また、突然変異的に私のような人間が発生する場合もあって、そこが出発点となって遺伝的につながっていくパターンもあるでしょう。
女優の遠野なぎこさんは過食症をカミングアウトされていますが、母親も過食嘔吐を伴う摂食障害だったそうです。
母親に「吐けば太らないからそうしなさい」と、なぎこさんに教えたそうです。
遠野なぎこさん親子のようなケースが、摂食障害の遺伝が起こる典型的なパターンかもしれません。
「母親が摂食障害だった」
そして、
「母親から吐くことを教わった」
「母親が過食して嘔吐するところを見ていた」
他にも、
「母親からデブだブスだ罵られた」
「母親から痩せていなければいけない美しくなければいけないと圧力をかけられた」
高血圧症や高コレステロール血症は、その病気になりやすい遺伝子を持っていることに加え、
食卓の遺伝、食卓の影響を受けると先ほど書きましたが、
摂食障害の場合は、摂食障害になりやすい遺伝子を持っていることに加え、
母親や家庭環境、社会環境の影響を受けるということになるのでしょう。
今回私は突然変異的に摂食障害になったと仮定して、
この突然変異的に起こった「摂食障害遺伝子」を、子どもたちも持っていると考えれば、
遠野なぎこさん親子のように、
「摂食障害だった私に育てられている子どもたちは摂食障害になりやすい」
「摂食障害になるリスクが高い」ということになります。
ちなみに、子どもたちが小学校の高学年・中学年まで私は過食症でした。
遡れば、
私は長女がまだお腹の中にいた時に、お腹の中の子が女の子だと聞いて申し訳ない気持ちになり、産婦人科の先生の前で涙を流したことがあります。
自分のような人間がこの世にまた生まれてくることの嫌悪と、
自分と同じように摂食障害になったらどうしようという気持ちで涙を流しました。
(こんな気持ちになったことを今では本当に懺悔しています。)
なので、誓いました。
「もう過食嘔吐はしない」
生まれてくる子に、こんな異常なことを知られたら困るし、それを良しとして真似されたらそれはもう地獄だし、
生まれてくる赤ちゃんのために、
「もう過食嘔吐とはさよならするんだ!」
そう誓いました。
でも、臨月になっても過食嘔吐をしてしまいました。
過食しては、吐きやすいよう腹圧をかけるため、臨月になったパンパンのお腹を押して吐いていました。本当に恐ろしかったけどやめられませんでした。
産後にも誓いました。
「もう過食嘔吐はしない!」
でも、里帰りで母親の目があるのにお菓子を食べて吐いて、母親に呆れられました。
里帰りを終え、元旦那さんの待つアパートへ戻る時にも誓いました。
「もう過食嘔吐はしない!」
でも、
何度となく誓っても誓っても、誓いを破りました。
そのまま子育てと過食嘔吐は続きました。
過食は子どもたちが寝てからと決めていましたが、過食のスイッチが入ったら時間なんて流暢なこと言っていられないような切迫感なので、
子どもたちにDVDを見せて集中させている隙に、過食嘔吐していた時も数え切れないくらいありました。
運良く、その姿を見せずに済んだかもしれないけど、トイレから出るときの異様な空気は感じとっていたんじゃないかと思います。
いろいろ思い出すと辛くなります。
そんな過食嘔吐している親のもとで育ててしまったことで、
今は大丈夫でも、この先子どもたちが摂食障害になる可能性はかなり高いことでしょう。
また、親が子に発する言葉というのは本当に狂気になるほど恐ろしくて、
遠野なぎこさんの母親が、なぎこさんに「吐けば太らないからそうしなさい」と言ったことは本当に罪深いことだと思っています。
親が放つ言葉は、子にとってとてつもない発信力になります。
親にしてみたら、なんのこともなく放った言葉でも、子どもは傷付き、傷を深めるように自分を責めますし、
親の発信力は絶大なので、「吐けばいい」なんてオススメされたら、
それはもう「はい、その通りにします」となるでしょう。
私も同じような経験があります。
嘔吐すれば太らないとは知っていたけど、現実にはまだ過食嘔吐を知らない時でした。
食べ過ぎて気持ち悪いと母親に訴えたら、「喉に指を突っ込んで吐いたらスッキリするかもしれないわよ」そう言われました。
母親は本当に何の気なしに、気持ちが悪いという私を何とかしたくて放った言葉でしたが、
母親に嘔吐を肯定されたのだから、
それはもう「はい、その通りにします」となりました。
この時は自発的に嘔吐するなんてできず、結構気持ち悪いまま消化させましたが、
この母親の言葉をキッカケに「パンドラの箱を開けてしまった」のだと思っています。
どうすれば、摂食障害が遺伝せずに済むのか。
まだ子育ての最中なので、今後どうなるか分からないので答えは見つかりませんね。
また、とりとめのないブログになってしまいました。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。