「三つ子の魂百まで」が覆る食の時代だからこそ。

私が勤務する特別養護老人ホームで、新型コロナウイルス感染が広がりクラスターとなったことで、連日バタバタと対応に追われていた疲れと、

ここ最近、お菓子の頂き物が多いことが重なって、

夕食後にお菓子を食べる生活が少し続いてしまいました。

 

夕食を食べたにも関わらず、この疲れた気持ちと身体が

「いや、まだ食べたい」「脳がとろける甘さが欲しい」

そんな感じで欲するから、食べちゃう。

 

食べることで気持ちもほぐれ、

お腹いっぱいになってやっと「ごちそうさま」と食欲も落ち着くわけです。

 

自分の身体が欲するなら食べればいい

気持ちが落ち着くなら食べればいい

 

そんなことも言われたりしますし、

私も食べるか食べまいか迷っている我が子に「食べたいなら食べればいいのよ」と言いますが、

自分の身体の要求を忠実に受け止め、

「食べたいなら食べればいい」そう思いますか?

 

私は、きっと多くの人が「食べたいなら食べればいい」と言えない環境に在るんだろうと思ってます。

 

0歳児の赤ちゃんは、母乳やミルクという栄養補給法から、

「離乳食」という字の如く、母乳やミルク以外のもので育つための栄養補給へと切り替わるステップを踏みます。

 

離乳食は生後半年頃から始まり、1歳半頃にはだいたい完了して、大人と同じような食事が摂れるようになります。

 

離乳食は「薄味」にするよう気を付けなければいけないと言われますが、

これは、将来的な味覚形成に関わるためです。

赤ちゃんの時から濃い味で育ってしまうと、それが個人にとっての「普通の基準」になってしまうためです。

つまり、生活習慣病のリスクが高まるということです。

 

けれども、今の時代、赤ちゃんの時に薄味の離乳食で育ててもらえたにしても、

それを帳消しにするような食事が身近に溢れていますよね。

自分から動かなくてもスマホでポチッとすれば、宅配してくれる時代でもあります。

 

しかも、いわゆる「美味しい」と感じさせる糖質・脂質がたっぷりの食事の支持率は高く、外食産業は「美味しい」ものの開発に余念がありません。

 

ちょっと話はズレますが「三つ子の魂百まで」って本当なのでしょうか?

 

私はある程度年齢を重ね、人間関係の中で葛藤して魂を感化させて、

私という人格を形成してきたように思いますが。

 

本当に三歳までの教育や環境が、個人の本質や人格を形成させるのだとしたら、人によっては救いのないことだと思うし、

そもそも人間の成長が置いてけぼりになりますよね?

 

物事は変化していくのが当然で、それは人間の生まれ持った質や人格を磨くことも含まれると思ってます。

三つ子までの魂が変化するも生かすも殺すも、三歳以降の生き様ではないか?と思っています。

 

話を戻しますが、

薄味に育てても、私が思う「三つ子の魂百まで」は本当なの?と同じように、

その後の食生活や環境で、ものの見事に薄味なんて消え去るような時代だと感じています。

 

あれこれ考えたり、ストレスフルで脳を使う時は、ぶどう糖を欲するわけですが、

「疲れた〜!甘いものが欲しい」と言って白米を食べる人は少ないと思います。

 

疲れた〜!となって、脳が甘い魅惑のスイーツを思い浮かべてしまうのは、

わたし達が甘い魅惑のスイーツの味を知ってしまっているからですよね。

 

同じように疲労回復が望める白米を浮かべないのは、よりパンチのある脳を刺激する甘いスイーツを知ってしまっているからです。

 

このことを考えると、

脳や身体が欲する「食べたい」と、

脳が思い浮かべる「食べたい」が

どうも一致するようで一致しにくい現状なのかな?という気がしてきませんか?

 

脳が浮かべるものをそのままに「食べたいなら食べればいい」と思っていたら、あっという間に体調を崩し、生活習慣病に突入しちゃいます。

 

身体が欲するものを食べるって、「心を落ち着かせ、脳を一旦リセット」しなくちゃいけないんだなと感じます。

今の時代では欠かせない作業かもしれません。

 

ストレスフルで余裕がないと、心を落ち着かせることができなくて、思考がうまく回らなくなりますよね。

ストレスフルな時こそ、「欲望に走る脳を落ち着かせて外側に追いやり、冷静に思考すること」が求められるんだろうと感じてきています。

 

最近どうもストレスフルで、そろそろ欲望のままに食べることを改めなきゃいけないと感じていたので、自分への注意を含めて文字にしてみました。

 

ちょっとあれこれ試してみることにします。

食べたいなら、お菓子の代わりに多めにご飯を食べようかなとか。

早く寝たい時こそ、急がずゆっくり良く噛んで食べることを実践してみようとか。

今年は運動量がぐっと減っているので、生活のどこかにウォーキングでも取り入れようかなとか。

 

きちんと考えて食べることって、余裕があるからできるんだと、今回改めて気が付きました。

 

ちなみに、

私の娘のように若い人には、やっぱり「食べたいなら食べればいい」って思います(そりゃ食べ過ぎは良くないけれど)。

だって、食べたいものを食べられるのも若いうちだと思うから。

いっぱい食べて楽しんでほしいです。

年を取ったらどうしても、大なり小なり制限をする生活を意識せざるを得なくなりますから。

 

最後に、

私の職場のコロナウイルス感染は、社会の縮図だと思っています。

もうあまり報道もされませんが、感染者はかなり増えているんじゃないでしょうか。

入居者様はもちろん、感染してしまった職員さん、なかなか重い症状に苦しんでいるような印象です。

皆さんくれぐれも気を付けて下さい。

 

今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。

読んで頂ける方がいると、もう少し書いていこうかなと励みになります。ありがとうございます。