摂食障害と生活習慣病

糖尿病や高脂血症などの生活習慣病

遺伝要因の他、

食生活に原因があると言われています。

食生活を正していけば改善するということです。

 

私は底辺の管理栄養士なので、

経験も浅く生活習慣病について立派なことは書けないのですが、

ほんの少しの期間、調剤薬局の管理栄養士として

栄養・食事相談業務をしていた時に

生活習慣病についての基礎的な知識を勉強しました。

 

 

相談に来られる方の多くは

 

頑張ってるけど血糖値が下がらない

頑張ってるけど血圧が下がらない

カリウムはどう減らせばいいの?

 

などなど生活習慣病に関する事柄が圧倒的でした。

 

 

血糖値が下がらないと悩み、口にされるのは

「頑張ってるのに血糖値が下がらない」

 

この頑張ってるのに、は過食症とリンクするなと思いました。

 

糖尿病の人に

頑張ってるけどの

頑張ってるは、どんな内容なのか聞くと

 

たいてい、

「間違った知識を正しいと認識して実行していた」

そして、

「実は頑張れなかったことの言い訳」

でした。

 

ごはんなんて本当に食べてない、なのに血糖値だけ上がって。

体重も減ってるし、食べてないのになんでかしら。

 

「そうなんですね」と、よくよく聞いていると

 

ごはんは食べてないし、

全体的に食事量は減らして頑張ったけど、

お菓子は我慢できずに食べちゃったとか、

夜寝る前、お腹がすいて眠れないからお菓子を食べちゃったとか、

 

やっぱり結局食べていました。

 

 

ごはんは適量食べて、お菓子をやめることが、まず取り組むことでした。

でもきっと、病院でも管理栄養士さんやお医者様に教わる事ですし、

わかっていても出来なかったのでしょう。

 

だって眠れないのは辛いじゃない

でもそんなに食べてないのよ、

ちょっとなのに・・・ダメなのね

 

検査結果は

ダメだと分かっていても出来なかった事実を隠さずきちんと示してきます。

 

 

摂食障害過食症生活習慣病と同じで、

過食することが習慣になっています。

 

 

過食症の人もやめたいと思っていろいろ対策すると思います。

 

お菓子をストックしないようにしたり

パンを食べないようにしたり

栄養補助食品のような健康志向のお菓子のみ、ストック可としたり

過食する引き金となるものを遠ざける努力をする方もいるでしょう。

私はそうしていました。

 

過食症となって20年近く、

過食に屈したり、諦めて過食の言いなりになろうという頭は、時折あったくらいで、

ほぼ毎回毎回、ド根性だなと思うくらい過食を阻止しようと頑張っていました。

 

けど、

どこかのタイミングでトリガーが生じると

過食スイッチが入ってしまいます。

 

 

遠ざけていたお菓子が猛烈に欲しくなり、

健康志向のお菓子を全て食べ

子どもたちのためにとストックしていたお菓子を全て食べ

非常食用のパンを食べ

足りなければコンビニまで走ります。

 

 

過食しながら

「あ〜結局こうなるんだからストックしとけば良かったのに。」

「あの日の特売で買っておけば良かったのに」

そんなことを思います。

 

 

吐いて、下剤を飲んだら

罪悪感の中、誓いにならない誓いをたてます。

「もうやらない」

 

 

空になったお菓子の袋は、ゴミ箱には入れずに、

家族にも自分にも目につかない場所にゴミの日まで待機させます。

 

そうするのは、食べてしまった汚い自分を認識したくないためです。

 

 

生活習慣病の人のやっていることと

似てるなぁと思います。

 

 

過食は良くないこと、普通じゃないこと、やめなくちゃいけないこと、

そうわかっているのに、やめられない。

 

頑張れなかったことの言い訳ならぬ

空になったお菓子の袋を隠して

「事実の隠蔽」

 

血液検査はないけど、

やったことはいつか必ず自分に返ってくるので、

その時に事実を思い知ることになります。

 

 

過食症は若年層を中心とした

生活習慣病と言えるかもしれません。

 

常習性があり習慣化するところは、やはり依存症でもありますが

 

糖尿病の人たちも同じように、

足を失っても、目が見えなくなっても、透析になっても、

食べることをやめられずにいる人も、多くいるのです。

 

 

生活習慣病過食症を一括りにするのは違うと思いますが、

飽食の時代ならではの問題、

糖尿病患者さんは年々増加の一途ということも、

共通するものがあるのかなと思いました。

 

 

生活習慣病には自己管理が1番大切だと思ってきましたが、

過食症と重ねて考え、時代として捉えると、

もっと複雑な精神的な病因があるような気がしてきますね。