引き寄せるチグハグした心と身体

私は特別養護老人ホームで管理栄養士として働いています。

 

ご入居して半年ほどの70代の女性の方で、

とてもお元気だけど、認知症が酷く、

いつも少女の世界にいるようなご入居者様が

1ヶ月ほど前に入院しました。

 

その方がもう少しで退院されて戻って来られます。

病名は胆嚢結石だそうで、

そういえばずっと前から、

右の腰あたりを抑えて「いたいの」

と言われていたなと思い出しました。

 

普通のお食事を召し上がっている方でしたが、

ミキサー食といって、

いわゆる流動食となっているようです。

 

施設の中でもお若くお元気な方でしたが、

 

帰宅願望がとても強い方で、

お部屋周りや廊下をフラフラと歩きながら

 

「こっちに行ったら帰れるの?」

「お母さんが会いに来てくれるから、迎えにいかなくちゃいけないの」

そんなことをよく口にされている方でした。

 

高齢者は様々な機能が衰えていき、

病気になるリスクが高いのは当たり前なのですが、

 

これは私の憶測ですが、

自分の経験と照らし合わせて、

このご入居者様は、

自ら病気を呼び寄せたのかもしれない

そんなことを思いました。

 

 

私は摂食障害だった20年以上、

生きるということに後ろ向きでした。

 

後ろ向き

というのをどう捉えるかというと、

 

主体性がないこと。

 

周りの人が何とかしてくれるだろう

周りの人が悪いのだから私は悪くない

 

そんな思考でした。

 

摂食障害になった原因は

痩せ願望

ですが、

 

本当に本当の根本的な原因は

「自分に自信がない」ことによる

「満たされない承認欲求から引き起こされる様々な障害」

だと認識しています。

 

痩せて凄いねと言われることで

承認欲求を満たそうとするわけですが、

 

生きたいという気持ちと

生きていたくないという気持ちとが

入り乱れています。

 

生きていたいから渇望する承認欲求を求めるのですが、

食事を食べず極限まで自分を追い込んでいくこと、

食べては吐いて食事を拒むことは、

生きることを拒否することと同じことです。

 

本人に自覚はなく

ただひたすら痩せたいだけという思いですが、

「心と身体がチグハグしている状態」です。

 

この心と身体がチグハグしている状態は

大きなストレスとなり

病気になりやすい

と言えると思うのですが、

 

「生きていたくない」

という気持ちが

「病気を引き寄せてしまう」

ということもあるんだろうと思っています。

 

心と身体はつながっているので、

 

無理をする

無茶をする

我慢する

感情を抑制する

思考をストップさせる

 

そんなストレスが極限まで行くと、

 

生きる気力を失い、

未来を描けなくなり、

死を望むようになり、

 

免疫力は低下して、

自律神経は乱れ、

ホルモンバランスは崩れ、

 

様々な病気に罹患しやすくなる。

 

そんな流れは、十分想像できると思います。

 

 

そしてこの流れを

角度を変えてみれば、

 

「生きていたくない」という心から

自分で強く病気を引き寄せ

「チグハグだった心と身体を一体化してしまう」

 

チグハグはストレスになるので、

ある種、一体化させることを選んだ方がラクになる

そのようにも感じるのです。

 

 

もちろん、

誰もが病気を引き寄せている

なんてことはないと思っていますし、

不用意に不謹慎なことを発言したくもありません。

 

自分の経験と、

今回のご入居者様の入院とで感じたことであって、

私の憶測にすぎません。

 

病気になる原因のひとつとして、

こんなことも、きっとあるんだろうなと思ったことを書かせて頂きました。

 

続く。